オリーブオイルがピリリと辛い?

オリーブオイルがピリリと辛い?

あー、チリオイルのことね。

違うんです、正真正銘の搾りたてエクストラバージンオリーブオイルのこと。「辛み」は実は良質なオリーブオイルの証の一つなんです。

良質なオリーブオイルには多かれすくなかれ、飲み込んだあとに喉の奥の方でピリリとした刺激のある辛みを感じるんです。実はこの辛みの正体はオリーブに含まれているポリフェノール成分「オレウロペイン」、強い抗酸化作用を持ち、健康にいいといわれる成分です。

え?オリーブオイルにそんな辛み感じたことないって?

それも無理ありません、この辛み成分のオレウロペインは、本当に良質なオリーブオイルにしか入っていないものなんです。オレウロペインは、オリーブの実がまだ若く青い状態の時に最もたくさん入っているんです。秋から冬にかけて実が黒く熟していくにしたがって、だんだんオレウロペインは抜けていってしまいます。だったら簡単、青いうちにいっぱい収穫しちゃえば、辛みのあるいいオイルが搾れるんですよね。

ところが、そう簡単にはいきません。なにしろまだ未熟な青い果実です、オイル成分がまだまだ全然入っていないんです。オイルをたくさん搾ろうと思うなら、目いっぱい熟して真っ黒になってから収穫した方がいいんです。すなわち、オリーブの品質と量は、トレードオフの関係にあるんです。

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品種によっても違いますが、完熟した実からは15%〜25%のオイルが搾れますが、未熟な青い実からは1%〜3%くらいしかしぼれません。ですから、ピリッと辛いオイルを搾ろうと思うと、よりたくさんの実を使って搾る必要があります。すると、必然的に原材料費がかさんで、とても高価なオイルになってしまうんです。
量販店なんかで買う、安価なオリーブオイルは当然低コストで作る必要があるので、新鮮な若い実を使うことはありません。ですから辛みを感じることもないんです。

ですから、この辛みがあるかどうかは、オリーブオイル鑑定士がエクストラバージンオリーブオイルの良しあしを判断するときの重要な要素となります。一般的には、辛味が強いほど良いオイルという評価を受けます。通常、新鮮な若い実から搾った辛みの強いオイルは、同時に舌触りもサラッとしてしつこさがないものです。飲めちゃうくらいのオリーブオイルと表現することが良くありますが、その通り、このような新鮮なオリーブオイルは比喩でなく飲めちゃいます。全然油っこくないんです。

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もちろん、辛みを決めるのは収穫時期だけではありません。まずは品種の違い、品種によってオレウロペインの含有量は大きく変わってきます。イタリアのコラティーナなんて言う品種は辛味の強い代表みたいな品種だし、華やかな香りで日本では人気の高いトンダ・イブレアなんて品種はオレウロペインが弱めの品種。

収穫した年によっても変わります。雨が少なかったシーズンはグッと辛みが増し、雨が多いとぼやけた味になってきます。そのほか、土壌によっても違ってきます。

一般的には辛味が強いほどいいオイルと評価されますが、これまた程度問題。以前テイスティングしたオイルが、大変な辛みと苦みで、まるで薬飲んでいるかのようなオイルでした。いいオイルと言えばいいオイルなんでしょうけど、いったいこのオイル、どんな料理に使えばいいの?っていうのが正直な感想。

オリーブオイルを試飲するときの一つのポイント、ピリッとした辛みが感じられるかどうか。覚えておいてください。

オレウロペインの健康効果についてはこれから何回かにわたってお伝えしていきます。

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