オリーブオイルは調味料

エクストラバージンオイルは加熱しないで、生食で使ってください。って言う話はよく聞きますよね。
はい、その通りです。でも、実は加熱してもいいんですよ、エクストラバージンオリーブオイルは熱に弱いというのは全くのデタラメで、実は大変に熱に強いオイルでもあるんです。その話題はまた今度にして、今回は生食するオリーブオイルのお話。

生で使ってください、って言われても、ほとんどの人はピンと来ないと思います。せいぜいパンにつけるか、サラダにかけるくらいしか思い当たらない。お醤油やポン酢みたいに、調味料としてなんにでもかけていいんですよ、なんて言ってもたいがい分かってもらえない。
澳 OKI Oliveを使って頂いている飲食店は、実は日本料理店が最も多く、次にフレンチ、イノベーティブと続きます。意外に思われるかもしれませんが、イタリア料理店は全国でたったの3件しかありません。日本料理やフレンチではまさにオリーブオイルを「調味料」という位置づけで使ってもらっています。


澳 OKI Oliveを食べるのに一番のおすすめはなんですか?って質問に対して最初に答えるのがコレ、卵かけゴハンです。卵ってよく言えば優しい、悪く言えばぼんやりした味、これをオリーブオイルでグッと引き締めてくれるのと、お醤油(必ずかけてください)の香りに含まれるメイラード反応の甘い香りを引き上げてくれることで、手抜き料理の代名詞みたいな卵かけゴハンがとてもリッチな一品になります。

冷奴、これ普通はお醤油で頂くことが多いんですが、豆腐の淡白で上品な味わいには醤油は少し強すぎます。塩昆布と一緒にオリーブオイルをかけて召し上がって頂くと、お豆腐の持ってる大豆の香りがオイルに移し取られ、淡白な味にオイルのコクが加わることで華やでリッチなウマみに変わっていきます。

お刺身にかけるのも調味料としての使い方。
イカや甘えび、カニなんかだったらおいしいお塩とオリーブオイルで頂きます。優しい甘みが身上の素材なんで、お醤油だとその酸が甘さを切ってしまうんで、お塩の方がおいしく頂ける。でもお塩だけだと味に深みが出てこないんで、オイルのコク足すことで、濃厚なウマみを感じるようになるんです。鯛やマグロなんかだと、お醤油と合わせてあげると、グッと力強い味が拡がります。

同じように、手巻き寿司なんかにもオリーブオイル垂らしてあげるととてもおいしくて華やかになります。
こんな感じで、普段召し上がっているものに、お醤油かける感覚で、なんでもかけてしまったらいいんです。かまぼこでも、卵焼きでも、筑前煮でも、お漬物でも。
生食用のオリーブオイルは、お料理に味と香りをつけてあげる、まさに「調味料」なんです。
経験的には、オリーブオイルかけることでおいしくなる食材が50%くらい、ものすごくおいしくなる食材が20%くらい、あんまり変わらない食材が29%くらい、かけない方が良かったって食材が1%ってところです。

ただし、これには大前提があります。必ず良質なオリーブオイル使うってこと。「デフェット(欠陥)」のオイルを使ってしまったら、せっかくのおいしい料理をわざわざマズくしてしまうことになります。オリーブオイル、なんでもかけたらいいんですよ、って言ってもピンと来ない理由もここにあります。世の中に出回るオリーブオイルの多くが「アヴィナード(発酵臭)」というデフェットを持っています。そう、皆さんが良く知っているあの少し酸っぱいような臭いです。そのデフェットオイルの匂いから連想して、そんなもん豆腐にかけたらマズくなるに決まってるよ、って思ってしまうからなんですね。その通りです、それだったらお豆腐をそのまま食べた方がよっぽどおいしいです。。
オリーブオイルを調味料として利用するなら、少しばかり高価かもしれませんが、必ず良質なオリーブオイルを使ってください。大丈夫です、調味料だから使う量はほんのわずか、お料理が劇的においしく変わること考えたら、決して高いものじゃありませんよ。

ところで、素材の中でオリーブオイルをかけない方がいい食材1%がなにかって?
それはまた今度お伝えします。